成年後見制度を利用するメリット・デメリット
■成年後見制度を利用するメリット
成年後見制度を利用するメリットとして、判断能力が不十分な人(被後見人)に後見人をつけることによって、被後見人が財産的損害を被るのを防げるという点がまず一番に挙げられます。
認知症や知的障害によって判断能力が不十分な人は日々の生活で悪徳業者から詐欺をうけたり不公平な契約を結ばされたりする危険があります。そこで、後見人が財産を管理し身上看護をすることでこういった事態を未然に防ぐことができます。
また、成年後見制度を利用しても、生活用品や食料を購入するなどの日常生活に必要な範囲での支出は自由に行えるので、被後見人の自己決定権を損なうようなことはありません。
■成年後見制度を利用するデメリット
成年後見制度を利用するデメリットとして、後見人による横領の危険があることが挙げられます。
先述したように、後見人は日後見人の財産を管理する権限を有します。通常の場合、後見人には被後見人と同居している親族が指名されますが、そのような場合において後見人が自身の生活費を被後見人の貯金から支出しているようなケースが散見されます。もっともこのような事態を防ぐために裁判所は後見人を監視する後見監督制度を導入しています。
その他のデメリットとして資産運用が難しくなるということが挙げられます。成年後見制度は被後見人の財産を保護するための制度であり、現状維持が目的のため、その財産の積極的な運用や相続税対策をすることはできません。
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吉岡 正太郎
Shotaro Yoshioka / 弁護士
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- 学習院大学法学部法学科卒業
- 日本大学法科大学院修了
- アーチ日本橋法律事務所開設
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