親から遺産を相続してもらえないときの対処法
親が亡くなってしまった場合、子どもは相続人として親の財産を相続するのが原則です。
しかしながら、親の生前に親との関係が良好ではなく、親から、財産を相続させたくないと思われてしまう場合もあります。
このページでは、親から遺産を相続してもらえない場合としてどのような場合があるのか、そして、親から遺産を相続してもらえないときの対処法について紹介していきます。
親が子どもに遺産を相続してくれない場合
親が子どもに遺産を相続してくれない場合として考えられるのは、
・遺言書による相続人の指定、遺贈
・生前贈与
・相続廃除
などが考えられます。
① 遺言書による相続人の指定、遺贈
民法には、それぞれの相続人がどれほどの財産を相続するかについて法定相続分という形で定められており、原則として、被相続人の財産は法定相続分に従い分けられます。
しかし、被相続人が遺言書により相続人各々の相続割合について特別な定めをした場合、または、遺贈により、特定の財産について特定の相続人に承継させる旨の表示をした場合には、それらの定めにしたがって相続財産が分けられます。
親が、自分以外の相続人に高い割合の相続分を与える旨の遺言書を作成した場合や、特定の財産について遺贈する旨を表示した場合には、本来の相続分を承継することができなくなってしまいます。
② 生前贈与
親が、亡くなる前に自分以外の者に財産を承継させてしまった場合、その承継させてしまった財産は遺産分割の対象とならないので、その分、親から相続できる財産の割合は減ってしまいます。
③ 親から相続廃除
相続廃除とは、被相続人による家庭裁判所への申し立てによって、相続人を相続人から除外することができる制度です。
相続廃除の対象となるケースとしては、
・長期にわたって親に暴力をふるっていた親族
・親を精神的に虐待していた親族
・相続財産を勝手に使い込んでいた親族
などが典型的です。
家庭裁判所により相続廃除の決定がされると、相続権がはく奪され、財産を一切承継できなくなります。
対処法
親から財産を相続してもらえないときの対処法としては、
・遺言書の無効について争う
・遺留分侵害額請求を行う
・相続廃除の取消しを求める
などが考えられます。
① 遺言書の無効について争う
遺言書が、法律上の形式的要件を満たしていない、詐欺・脅迫によって作成されたものである、などの理由がある場合、遺言書の無効を争うことができます。
② 遺留分侵害額請求を行う
遺留分とは、民法で決められている遺産の最低の取り分のことをいいます。
被相続人の遺言、遺贈等によって、遺留分を下回る割合でしか財産を承継できない場合、遺留分侵害額請求ができます。
当事者間の交渉で相手が応じてくれない場合には、裁判で争うことも考えられます。
③ 相続廃除の取消しを求める
被相続人はいつでも自分の意思で廃除を取り消すことができます。
被相続人と話し合い、謝罪するなどして相続廃除の取消しをしてもらうことも有効な手段といえるでしょう。
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親の財産について親が相続させてくれない場合について、考えられるケースと、対処法について紹介しました。
親との関係を良好にできることが望ましいですが、そうでない場合にも最低限とることのできる手段を押さえておくことは重要と思われます。
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