遺留分侵害請求の期限|時効を止める方法はある?
遺留分侵害額請求とは、遺留分を侵害された相続人が、侵害した相続人に対し清算金を請求することを指します。また、遺留分とは、一定の相続人に認められた一定割合の相続財産のことです。遺族の最低限の生活保障のため、被相続人の遺言等にかかわらずこれを侵すことはできないとされています。
もっとも、請求には期限があります。そのため、請求を行わないまま放置しておくと請求自体ができなくなり、損をしてしまう可能性があります。そのような事態を避けるためにも、以下その期限について見ていきましょう。
■遺留分侵害額請求の時効
まず、相続の開始および遺留分侵害があったことを知った時から1年間請求権を行使しなかった場合、請求権は時効にかかってしまい消滅します。
上記二つの事実をどちらも知ってから時効が起算されるため、単に相続があったことを知っただけではなく、加えて遺留分侵害の事実を知ったときから期間が計算されます。
もっとも、過去には贈与または遺贈があったことを知っていれば遺留分侵害の事実をも知っていると推認できるのが相当であるとした裁判例もありますので、できるだけ早く請求を行っておくことが大切です。
■遺留分侵害額請求の除斥期間
また、相続開始の時から10年が経過したとき、請求権は除斥期間にかかってしまい自動的に消滅します。そのため、相続が始まった際は早めに遺留分侵害がないか確認することが大切になってきます。
こちらの期間は時効と異なり、止めることができません。したがって早めの請求が肝要になってきます。
■時効を止める方法
遺留分侵害額請求権の時効は、遺留分請求の意思表示を行うことで止めることができます。この際遺留分を相手方に払ってもらう必要はなく、請求を行うのみで足ります。
そのため、早めに相手方へ内容証明郵便を送り、請求を行った証拠を残しつつ意思表示を行っておくとよいでしょう。
遺産が分散している場合はそれぞれに意思表示をしなければ時効を止めることができません。複雑な遺産分割が行われ、請求すべき相手方がわからなくなってしまう場合も想定されるため、そのような際には弁護士への相談をおすすめします。
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