相続人と連絡がとれないときの問題と解決するための対処法
身内が亡くなった後、「相続手続きを進めたいのに、相続人の1人と連絡がとれない」という状況に困ることもあります。相続手続きでは相続人全員の同意が求められる場面もありますので、1人でも連絡のとれない相続人がいると手続きが停滞してしまいます。
このような問題を解決するためにはどうすればいいのか、当記事で解説していきます。
相続人と連絡がつかないと何が起こる?
相続が発生すると、遺言書がない限り相続人全員で「誰が何を相続するか」を話し合って決める必要があります。これを遺産分割協議といい、相続人全員の同意がなければ成立しません。連絡のとれない相続人を除外して協議を進めることはできず、全員の意見を反映させないまま進めた遺産分割協議は法的に無効となってしまいます。
各種期限の超過
遺産分割協議自体は期限の定めがありませんが、遺産分割協議を成立させていないと各々の取得分が具体的に定まらず、正確に相続税の申告を行うことができません。
相続税の申告と納税は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があり、遺産分割協議がまとまらない場合でもこの期限は延長されません。
※間に合わないときは、いったん法定相続分で分割したと仮定して「未分割申告」を行う。
また、遺産に不動産が含まれるときは相続人に相続登記の申請義務が課されます。相続を知った日から3年以内に登記申請をしなければならず、いつまでも遺産分割協議が進まないとこの期限を超過するおそれがあります。
※間に合わないときは、比較的簡易な手続きである「相続人申告登記」を行い、ペナルティを回避する。
連絡がとれない相続人がいるときの対応方法
相続人の連絡先がわからないのであれば、まずは住所を調べることから始めましょう。
そのために有効な手段が「戸籍の附票の取得」です。
戸籍の附票は本籍地の市区町村で発行され、ここには戸籍が作成されてからの住所の履歴が記載されています。現在の住民票の住所も把握できるため、相続人の居住地を特定することができます。戸籍の附票は相続人であれば取得することができ、窓口での取得のほか、郵送での請求も可能です。
そうして住所がわかれば、手紙を送ったり直接訪問したりするなどして連絡を試みましょう。
文書を送るのであれば、相手が手紙を受け取ったかどうか確認できるよう、特定記録郵便や簡易書留を利用することをおすすめします。手紙に反応がないときに直接住所を訪問することも検討します。直接話すことで状況が改善するケースもありますが、相手方がそれを求めていない可能性もありますので、慎重に対応を進めましょう。
取り合ってくれない場合の対応
相続人の住所がわかっているものの連絡を無視される、という場合には家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることも検討しましょう。
調停を申し立てることで家庭裁判所から相手方の住所に調停に関しての書面が送付されます。裁判所からの連絡であれば、これまで連絡を無視していた相続人も応じてくれることがあります。
行方不明の場合の対応
住所を調べて連絡を試みても連絡がとれない、行方不明になっている、といった状況では、「不在者財産管理人の選任」も検討します。
不在者財産管理人とは、行方不明となっている人の代わりに財産を管理し、相続においては遺産分割協議に参加することもできる人のことです。家庭裁判所に申し立てて、選任をしてもらいます。
なお、申し立てには3ヶ月以上かかることもありますし、不在者財産管理人が遺産分割協議に参加するには家庭裁判所から「権限外行為の許可」を得る必要がありますので、早めに決断して手続きへ着手することも大切です。
生死不明の場合の対応
単に連絡が取れないだけでなく、行方不明のまま生死が7年以上明らかでない場合は、「失踪宣告」の申し立ても検討しましょう。
家庭裁判所で失踪宣告が認められると、その相続人は法律上死亡したものとみなされます。そのため不在のまま遺産分割協議を進めることができます。
手続きの流れとしては、家庭裁判所に申し立てを行い、その後調査や公示が行われ、差後には審判が下されます。
なお、失踪宣告は人を法律上死亡したものとする重大な効果をもたらすため、不在者財産管理人を選任するときよりも認められるのが厳しい傾向にあります。
相続人との連絡が取れないときは専門家を頼る
相続人との連絡がとれない状況が長く続くほど事態は悪化してしまいます。そこで、以下のような場合は早めに弁護士へご相談いただくことをおすすめします。
- 戸籍の附票の取得が難しい場合
- 不在者財産管理人の選任申し立てを検討している場合
- 遺産分割調停の申し立てを検討している場合
- 各種期限が迫っている場合 など
弁護士であれば相続人が対応すべき各種手続きを代わりに行うことができ、書類の収集やほかの相続人への連絡、書類の送付なども依頼することができます。時間を節約できるとともに、個々の事案に応じて最適な解決方法を提案してもらうこともできます。
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吉岡 正太郎
Shotaro Yoshioka / 弁護士
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- 所属団体
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- 東京弁護士会
- 第二東京弁護士会
- 法教育委員会
- 高齢者・障害者の権利に関する特別委員会
- 犯罪被害者支援委員会
- 経歴
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- 学習院大学法学部法学科卒業
- 日本大学法科大学院修了
- アーチ日本橋法律事務所開設
事務所概要
Office Overview
| 事務所名 | アーチ日本橋法律事務所 |
|---|---|
| 代表者 | 吉岡 正太郎(よしおか しょうたろう) |
| 所在地 | 〒104-0031 東京都中央区京橋1-1-9 千疋屋ビル4階 |
| TEL/FAX | TEL:03-6265-1535 / FAX:03-6265-1537 |
| 営業時間 | 10:00~18:00(事前予約で時間外対応可能です) |
| 定休日 | 土・日・祝日(事前予約で休日対応可能です) |
